僕は君を追う
「いつまでうじうじしてんねん!」

香奈枝が俺の背中を叩いた。

「うっ…分かってるけどさぁ…」

俺が試験の時から香奈枝はわざわざ一緒に大阪まで着いてきてくれている。
ありがたいし、こういう時には勇気が出たりする。

「翔ちゃん、自信持って!」

すると俺の携帯が鳴った。

「もしもし」
『あ、翔太?浩平やけど、今ホテルに着いたで』
「さんきゅー。今から下行くわ」

浩平と俺は同じ大学を受けていた。
まぁ学部は俺が教育学部で浩平が経済学部と違ってるんだけど。

「じゃあ行ってくる」
「うん。分かったらおばさん達の次に電話してな?」
「分かってる。じゃあ」

そう言って俺はホテルの部屋を出た。
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