僕は君を追う
すると目の前に俺の泊まってるホテルが見えてきた。

「じゃあな、浩平」
「おう。また引越しの日教えろよ。手伝うから」
「さんきゅ。じゃーな」
「じゃーなー」

浩平は電話をかけながら(相手は由梨だろう)走っていった。



「ただいま」
「翔ちゃん!どうだった!?」
「うん…合格やったで!」
「ほんま!?やった!良かったぁ!」

香奈枝は俺に抱きついてきた。

「ありがとう」
「ってか何で電話くれへんかったの!?」
「ご、ごめん。ドタバタしてて」
「別に良いけどさぁ…ちょっと寂しかった」

くちびるを噛み締めながら香奈枝は俺を見上げた。
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