僕は君を追う

*☆♪香奈枝side♪☆*

今日の放課後は翔ちゃんと一緒に帰れないということで、私はいつもよりゆっくりと帰る準備をしていた。

「翔ちゃん居ないと暇だなー」

そう呟きながら私は教科書をスクールバッグに入れた。

「新田さん、ちょっと良いかしら?」

そう声をかけられたので、私は声がした方を向いた。

「えっと…桐谷、さん?だよね?」
「ちょっと今良いかな?」
「あ、うん。大丈夫だよ」
「じゃあついてきて」

桐谷さんは私のクラスメイトで、結構派手めな子。
なんとなくだけど、翔ちゃんのことが好きみたい。
でも翔ちゃんは一切相手にしていない。

「あの…どうしたの?桐谷さん」

私がつれてこられたのは視聴覚室。
この状態って…ヤバイよね?

「あんたさぁ…目障りなんだよね」
「え?」
「竹岡くんのこと"翔ちゃん翔ちゃん"って呼んでさ。あんた竹岡くんの何なの?」
「別にただ家が隣同士なだけで…」
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