僕は君を追う
気づいたら私は床に倒れていた。
顔に手を当てると涙で濡れていた。

「ぐす…最悪…」

周りを見回してももう誰も居ない。
何をされたのか…理解が出来ないししたくもない。
でも今でも桐谷さんのあの不気味な笑顔は鮮明に出てくる。

「もう翔ちゃんに会えない…」

私は立ち上がろうとしたけど、腰が抜けていて無理だった。

「ここで朝を迎えるとか有り得ない…」

必死に立ち上がろうとしていたその瞬間…

ガチャッ

視聴覚室のドアが開く音がした。

「…ッ」

私は反射的に目をつむった。
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