僕は君を追う
翔ちゃんは私を抱きしめてくれた。
こんなにボロボロで汚い私を。

「どうしたんだ?何があった?」
「う…ひっく…ひっ…」

私は翔ちゃんの優しさと温かさに安心して、枯れていたと思っていた涙がまた溢れ出した。

「家に帰ったら聞くから…とりあえず…」

翔ちゃんは自分の上着を脱いで私にかけてくれた。
私は翔ちゃんに手をとってなんとか立ち上がった。

「帰ろ」
「…うん」

そして私たちはゆっくりと歩きながら家路についた。

-香奈枝side end-
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