僕は君を追う
俺はゆっくりと桐谷に近づいた。

「お前、こんなことして良いと思ってんの?」
「そ、そんなの!誰がやったかなんて誰も分からないし証拠がないじゃない!」
「そうだなー。その現場の動画がなかったら、の話な」
「どういうことよ」

俺はズボンのポケットからさっき優太からもらったSDカードを出した。

「何よ、それ」
「昨日香奈枝に襲わせた男たちが録画してたんだよ」
「ちっ。あいつら…」
「これがあればお前は即退学だよな」
「あんたはそれでどうすんだよ」
「んー…どうされたい?」
「…退学だけは、嫌!」

桐谷は懇願するような目で俺を見てきた。

「分かった。じゃあ今後香奈枝に2度と近づくな」
「えぇ!分かったわ!ありがとう」
「じゃあな」
「じゃあね」

桐谷は屋上から出て行った。
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