僕は君を追う
俺は思い出した。
香奈枝がさくらを好きだったということを。
昔大阪で暮らしていた時に香奈枝と話していた内容を。

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「あっ。翔ちゃーん!」
「んだよ、香奈枝」
「さくらが咲いてるよ♪」

香奈枝が指差す先には1輪だけさくらが咲いていた。

「よく見つけたな」
「へへっ。私さくらがお花の中で1番好きだから」

その時の香奈枝の笑顔は大輪の花のように咲いていた。
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