僕は君を追う
すると由梨が俺の腕を引っ張った。

「ちょ、由梨!何すんねん!」
「はよ、香奈枝と話して解決してや。私と浩平から言うことは何もない」

そしてそのまま駅前のタクシー乗り場で俺はされるがままタクシーに乗せられ、そのまま由梨の家に行くことになった。

「勝手なことすんなや」
「今翔太は黙ってて」

由梨の口調は厳しかった。
でも香奈枝の思う気持ちが強かったからこそなんやとも思えた。

「私は翔太も香奈枝も両方とも間違ってると思う」

由梨は前を向いたまま言った。

「由梨…」
「でも、だからこそ気づくことやってあるんやと思う」

由梨の言ってることは間違っていない。
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