僕は君を追う
「高校生になってから付き合った彼氏にもキスを迫られる度に拒んでた」

香奈枝の顔は段々暗いものに変わった。

「そしたらある日彼氏に逆上されて…それで…公園でヤラれちゃったの。その後何とかして家に帰ろうとしたら…事故に遭ったの」

香奈枝は目に涙をためながら最後はひとつひとつ言葉を確かめるように言った。

これで全て分かった気がした。

「それで心機一転やり直そうと思った訳?」

俺は冷たく言い放った。
色んなものにイライラしたからだ。

「うん…全て忘れようと思って。だから翔太に嘘ついて近づいた」
「俺は利用されてただけ?」
「違う!それは違うの!それだけは信じて…」

香奈枝の声は弱弱しいものになっていた。
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