ク ロ
彼岸の小鳥殺し
雪は夜半から降り続いていた。
とても3月とは思えない、荒れた空模様は花冷えなんて生易しいものではない。
彼岸の小鳥殺し…
毎年、この時期に耳にする言葉を思い出す。

風の音に混じって、
切れ切れに聞こえる
ミィミィという鳴き声。
それは必要以上に上げたテレビの音量をくぐり抜け、私の耳に届いていた。

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