向日葵と。
CHAPTERⅠ
好きな人
キーンコーンカーンコーン…
SHRも終わり、
部活に行く者や、家に帰る者でクラスがざわつく。
「陽奈ーっ」
あたしは声のする方を向く。
-…唯だ。
「ん?」
「一緒に帰ろー?」
「ごめんっ、パス!」
「えーっ
陽奈今日部活ないよねっ」
「んー…と、用事があるん」
「せっかく
あたし今日部活ないのにぃー」
唯の部活はチア部。
毎日忙しいみたいけど今日は休みらしい。
あたしはというと、
1ヶ月に2回活動するかしないかの写真部だ。
「ごめんっ、今度アイスおごるからさ」
「ほーい」
唯は重そうなエナメルを肩にかけ、教室を出た。
「…陽奈、もしかして彼氏ー?」
いきなり肩に手をかけられ、
ビクっとする。
「早か…彼氏なんているわけないでしょ」
「あやしいなあ」
視線を下に落とすと、早が箒を持っていた。
「あっ、早!教室そうじ、あたしやるから部活行ってきな」
「本当?やったあ」
早から箒をもらい、他の教室そうじの子にも声をかける。