もう一度、君と

夏休み

初めて手を繋いだのは
帰りのバスの中。
集合場所に戻る前に
何度かキスを交わしたけど、
手を繋ぐのはまた違う恥ずかしさがあった。
でも楠木を自分の一部のように
感じてしまっていて少しでも
離したくなかった。


それからは毎日学校で会うのに
電話もメールも欠かせなかった。


初めこそ冷やかされたりしたが
そんなこと全く気にならなかった。
常に2人でいることが
自然と俺の生活になった。

夏休みを迎える頃には
楠木と一つになりたくて
そのことだけが頭を占める。

本当の意味で楠木の全てを
俺のものにしたかった。

でもきっとその気持ちが
その焦りが間違ってたんだ。



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