もう一度、君と
次の日、楠木は緊張した顔で駅にいた。それは俺も同じ。


自分の家までどんな話をしたのか
わからないまま、今は自分の部屋。


平日だから共働きの両親も
旅行に行ってる姉貴も居ない。
だから今日にしたんだけど。


お互い口に出さないだけで
この後のことは予想してて
だからこそ少しでも沈黙になると
心臓の音がバレるんじゃないかと
そういう余計な思考が
さらに自分に緊張を走らせる。


せっかく楠木が買って来てくれたケーキだって、ただ喉を通るだけで、味なんてわからない。




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