もう一度、君と
大木が俺の手を掴んで
自分の胸元に持っていく。

いつの間にか外されてた
ワンピースのボタン。

下着の隙間から俺の手を
膨らみへ誘う。


まだ保ってた理性も、ふと見た大木の顔で少しずつ崩れ始める。

真っ赤になった顔に頬を伝う涙。

慣れてないキス。

かすかに震えている肩。


動かしてしまった俺の手の動きで
甘い声を出す大木。

暗くなった海辺のベンチ。

今の状況を誰にも知られていない現実‥

全ての要素が俺の中から
突然生まれた欲望を引き出した。




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