もう一度、君と
バレンタインが過ぎた頃、他校にいる彼氏と入ったラブホの帰り、自分達の目の前に制服姿のカップルが出て来て、とっさに隠れたけど、バッチリ見てしまった前を歩く二人。


千早と大木さん。


腕を組んで親しげに歩いて行ったけど、その時は見間違いだと思うことにして忘れようとした。

でもあれから2回ラブホ街で
2人を見かけたらしい。

そして昨日保健室から服を
整えながら出て来た2人を見て
とっさに追い掛けたら
階段下で軽いキスをしていた。

見間違いでなかった事実を目の当たりにして、結局2人を問い詰めることが出来ずに、悩むに悩んで私に話す決心をしたと――


泣きじゃくる亜美を目の前にして
私はやけに冷静だった。

漠然とした不安が今、
繋がったと思ったから。




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