もう一度、君と
うつむいたままの瑠楓。

震える肩を抱き寄せて腕の中に瑠楓を閉じ込めた。

でもこのままでいる訳にもいかない。

そっと離した瑠楓に俺は呟く。


「瑠楓、ごめん。
俺、瑠楓を裏切ってた。」

「‥‥‥‥」

「さっきの‥‥大木とのこと
本当なんだ。――ごめん。」

言いたいことはたくさんあるのに言葉に出来ない。

全て言い訳だから。




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