もう一度、君と

最後の屋上

カチャ――


開いた扉に立っているのは
俺の愛しい人。


「瑠楓。呼び出してごめん。」

「‥‥千早‥‥」


戸惑った顔で俺と目を合わせようとしない。

仕方ないよな、面と向かって会うなんてあの日以来だしな。


「瑠楓‥俺、いい加減なことしたけど、瑠楓と別れてからもやっぱり瑠楓が好きだ。
どうしようもないくらい好きで、忘れるなんて出来ない。」

瑠楓はうつむいたまま。

「許せないかもしれない。前と同じようになんて無理かもしれない。
でも今度は絶対裏切ることはしない。だからもう一度だけ、もう一度俺と付き合って欲しい。」


一度は幸せを願おうと思ってた。
でも最後に想いを伝えたかった。
あのまま終わるなんて嫌だから。


瑠楓、今どう思ってる?

なんて答える?

俺の所に戻ってくれる?

それともやっぱ無理か?




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