もう一度、君と

ありがとう

式が終わって亜美達と明後日からの卒業旅行の話をしている時に和人くんに呼ばれた。

初めて見る真剣な顔をして
『屋上に来て欲しい』と。


屋上で待っているのは、きっと千早だね。
聞かなくてもそう思った私は
素直にうなづいた。



ねぇ 千早。

私たちいつからすれ違ったのかな。

あなたと大木さんの関係を知った日からすごく苦しかった。

でも、それでもやっぱり好きだったよ。


あなたに抱かれている時は、あなたの全てを独り占め出来ていたから。

たとえ体だけでもいいと本気で思ったりもしたよ。

あなたの心が欲しい――

それは考えないようにしていたの。




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