ハフピスライン
「そうだ、あの屑野郎だ。今じゃ“ハーフの村”なんてムカつく名前で呼ばれる村でハーフ集めてるって話だがな」

その言葉に魔王は反応した。

「その話、詳しく聞きたいが分かるか」
「俺よりもジョーカーの方が詳しいんじゃねぇの? あくまで俺は噂程度で今じゃあんな野郎のこと調べる気もしねぇよ」

魔王はヘルバーンからジョーカーに顔を向ける。
するとジョーカーは嬉しそうに言う。

「なんでもお聞きください。私の知識ならきっとお答えできるはずです」
「そうか、ならそのハーフの村というのはどこにあるのか分かるのか」
「……」

いきなり質問に黙り込んだ。どうやらそれは知らないようだ。

「森の奥、今じゃ放棄された村が入口だったはずだ。ハーフにしか反応しないように出来てるらしいが、俺には魔力耐性があるから見えたんじゃないのか。まぁ場所が変わってなきゃの話だけどな」
「いや、もし設置型の魔力結界ならば移動はしないだろう。ましてはヘルバーンですら介入できない結界だ、移動の必要がない」
「確かにな」

魔王とヘルバーンが話しているのをジョーカーは悔しそうに聞いている。

「ほ、他のことなら何でもお聞きください」
「なら、そのヤンキルガというのはハーフということか。ハーフしかいない村なはずだろ?」
「情報ではハーフの村というのは名前だけなようです。ハーフを集めているという点ではハーフの村です」

今度は自信満々に答えている。
そこから見て、まず間違った情報という感じはない。
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