ハフピスライン
「――――――なるほど、そうゆうことか」

ジョーカーから話を聞き終わった魔王は少し考えていた。
何を考えているのかは分からないが、ヘルバーンやジョーカーが黙っているということは、魔王は何らかの計算を頭の中で行っているのだろう。

「ならば、そのハーフの村というのは危険性はないか。それでは話を戻そう」

ハーフの村について魔王は問題なしと判断し、当初の目的、謎の魔力についてトリアイナ抜きで会議が始まった。

「まぁいくらハーフが束になろうが関係ないってことだ。けど大した情報もねぇのに何を話すんだよ」
「さっきもヘルバーンは言ったが、テレポートして謎の魔力を放った者は去った。それはつまり目的があってここに来たということ。この魔界の調査ならばもっと慎重にするはず、なのにそれをしないで魔力を放出したということは……」

「つまり何らかの戦闘を行ったということでしょうか」
「恐らくその可能性が高い。そしてあの付近で人間どもに価値があるのは魔石の鉱山くらい。確かあそこには魔物が住みついているはず、それで戦闘を行ったのだろう」

魔王は状況から何の目的で現れ、何をしにきたのか導き出す。
その考えにヘルバーンもジョーカーも付いてきている。恐らく同じことを考えていたのだろう。
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