ハフピスライン
「いいぜ、いいぜ。制圧じゃなくて潰していいんだろ?」
「制圧の意味はない。いるのはゲリラのみ。好きなだけ暴れて来い」
「楽しくなってきた。全員俺達の餌だ」

余程嬉しいのかヘルバーンの笑いは止まらない。オポゼの村にいるゲリラをどう殺し、どうやって喰うか考えているのだろう。

「ヘルバーンとジョーカー、作戦は明日から開始しろ。今日は全て準備にあたれ」
「しかし魔王様、そうなると魔王様を守るものがいません」
「トロワポテゥーは三人いる。ちゃんとトリアイナがいるから大丈夫だろう」
「あいつが護衛などやるようには見えません。それにこれをチャンスに反乱の可能性も」

ジョーカーは本気で心配している。それほどジョーカーにとってハーフは信用に値しない存在ということだろう。
しかし魔王は笑いながら言う。

「反乱など起きない。起きても反逆者は全員皆殺しにする。オレは魔王だ。その程度のことで死んでは魔王の名が廃る。それともオレの実力を信用できないかジョーカー」

笑っていた魔王が急に変化し、冷たく凍えさせる声に変わる。

「滅相もございません。私は間違っていました」
「分かればいい。今日はもう戻り、明日の準備をしろ。トリアイナには私が直接話そう」
「御意」
「あいよ」

そうしてヘルバーンとジョーカーは会議室を去った。

魔王は椅子に座ったままトリアイナを待ち続けた。
< 108 / 195 >

この作品をシェア

pagetop