ハフピスライン
「やはりあいつらは帰ったか」
「ずいぶんと遅かったようだが、無事、情報は集まったのかトリアイナ」

魔王が椅子に座ったまま私に問いかける。
しかし情報を集めていたことを知っている……調査隊を出したことは魔王には言っていない。だけど魔王は見透かしたように言う。

薄気味悪いと思う魔王の言動の一つ。どうしてそこまで把握しているのか分からない。それともただの憶測なのかもしれない。

「情報は集まった」

私は魔王と対面するように椅子に座った。

「それでは報告をしてくれ」
「いいだろう。侵入者は全部で7人。目的は魔石の鉱山での魔石の入手。鉱山の魔物を退けて魔石を持ち帰っている。テレポートの場所は魔石の鉱山から234ｍ離れた大樹」

私は調査から帰ったものから聞いた情報を報告する。

魔王は静かに黙って聞いていた。
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表紙・目次

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