ハフピスライン
「7人の内、一人は黄金獅子の可能性が高いようだ。ほぼ間違いない」
「さすがトリアイナ、情報は完璧だ。“やはり”侵入者にはあのジークラフトがいたか」
「予想の範囲内ということか」

「当たり前だ。あれほどの魔力、ジークラフトかそれに関わる他国の伝説になり得る者くらいだろう。しかし今回の場合、鉱山を狙った必要とするのは我々と対立するガーディアクロスのものしかいない」
「しかし、最近は目立ったことはしてないがオポゼの民が依頼して魔石を集めている可能性もある」
「その可能性はない。特に侵入者にジークラフトがいるならな。オポゼは独立部隊の町、それがガーディアクロスに依頼して魔石を集めることはまずない。ガーディアクロスではないものに依頼したなら可能性はあったがな」

驚いた。普通の会話のスピードでここまで理解して考え出したのか。どれほど頭の回転率が効率よく早いんだろう。それが魔王の器ということか。

「そうなると我々と戦う準備のためにガーディアクロスが魔石を集めているということか」
「それも考えにくい。もっと慎重にやるはず。だから恐らく、ただのクエストかなんかで魔石の入手を依頼されたのだろう。そこに魔石の鉱山に魔物がいて戦い、手こずり魔力を放出した、というところか」

「ならば今回のことは全くカオスワルドには問題のないことだと判断したのか」
「そうだな、今回のことは全く問題ない。しかしテレポートを何回もされるようでは目ざわりだからジョーカーに明日、全て潰すように指示を出した」
< 111 / 195 >

この作品をシェア

pagetop