ハフピスライン
しかし魔王は冗談と受け取ったのか、全く動じることはない。

「どうせ明日、このカオスワルドにはオレはここにいない、トリアイナお前もな」
「どうゆうことだ? それではカオスワルドには誰もいなくなるということか」

「そうではない。恐らくジョーカーはもう一部隊、オレの護衛ために用意するだろう。ヘルバーンはいつも全力だから部隊は全て引き連れる。残るのはハーフとその一部隊だけだ」
「つまり、明日は私と魔王でどこかに行くということか」

「さすがトリアイナ、理解が早くて助かる。そうゆうことだ」
「一体どこに行くというんだ。魔王自ら行くのは初めてじゃないのか。たった二人で」

それは一瞬、あまりに好き勝手やる私に対して魔王自らが処分を下すのかという予感もよぎった。しかし魔王の雰囲気にはそんなものはないし、そんなことをしなくてもこの場で直接殺せるだろう。

しかもジョーカーとヘルバーンをカオスワルドから出してまですることとなると、相当重要なことなのだろう。

残念ながら私にはそれがなんであるかは分からない。魔王が教えるしか知ることはできないだろう。

「オレが動くのは久しぶりか。何をするか、それはさっき会議の余談である話題が出てきた。ヤンキルガ・サイスマスという男を知っているか」
「聞いたことのない名だ。有名なのか」
「魔物にとっては有名なのかもしれない。そいつがある村に潜伏しているらしい、その村は周りからは“ハーフの村”と呼ばれているようだ」
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