ハフピスライン
席に座ると男は慣れたように注文する。オレの分まで勝手に決めていた。

「お前、ここら辺じゃ見ない顔だよな? 旅人かなんかか。仲間とかは?」
「一応そうだな。今日来たばかりで、仲間はいない」
「仲間いないのかよ? その割には大した魔力もないようだし運が良かったんだな。なんでそうまでしてここに来たんだ」
「待て」

オレは男の言葉を片手を上げて止める。

「まず、聞きたいことがあるのはオレだ。後、お前じゃなくてオレはライガ・フェイルノートだ。普通にライガと呼んでくれ。お前の名前は?」
「オレを知らなんじゃホントによそ者だな。とりあえずはジークって呼んでくれよ」

なんかつかめないというか適当な男だが大丈夫だろうか。

「分かったジーク、それでなんで追われてたんだ」
「それパス。説明がめんどい」
「それを教えるためにわざわざ店に入ったんじゃないのか」
「いや、ただ腹が減っただけだ」
「……」

やっぱ出てこうかな。なんかここにいても意味ないような気がしてきた。

「そうゆう顔するな。今日来たばかりなら分からないことだらけだろ? 答えられそうなことなら答えてやるよ」

いまいち信用できないが……この口ぶりだとここに住んでるんだろうな。それならアフランシールの情報くらい知ってるよな。それ以外の情報はあてにできない。
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