ハフピスライン
「少ない可能性でも私が反逆する可能性を考えたのか」
「いや、恐らくそれはオレ相手ではなく、自分側のつまりモンスター側の魔物を守るためだろう」

「つまり私がヘルバーンの部下を殺すとでも思っているのか」
「ヘルバーンも全ての兵力で行くことはない。必ず残るものがいる。それを守るために残したんだろう。なかなか部下想いではないか」

ヘルバーンが他の誰のために兵を残すか……そう言われれば残すかもしれない。ああ見えてヘルバーンは部下には優しい。

「なんとなく分かるような気がする。けど、それで本当にカオスワルドから出られるのか。直接出ていけば見張られてる私達は見つかるし、テレポートでは魔力で感づかれる」
「そうか? ここに来た時の魔力、トリアイナは感知出来たか」

「確かに出来なかったがそれは私が油断していたからで……」
「関係ない。オレのテレポートは気付かれない、絶対にな。だから気にすることではない」

そんなに自信があるならいいが、もし見つかったら即ジョーカーが飛んでくるだろう。

あぁあの槍を首元に突き付け、何があったのか聞いてくるだろう。それだけはやめてほしいものだ。
そんな不安も少しありながらも私は魔王のテレポートでカオスワルドを出た。
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