ハフピスライン
「それならアフランシールについて教えてくれ。どうやったらあそこに入れると思う?」
「アフランシールに入りたいのか? やめとけ、お前の魔力じゃ即不採用。諦めな」
「確かに魔力はない。けどどうしてもオレはアフランシールに入りたいんだよ」
「なんでそこまでして入りたんだよ? 魔物に誰か殺されたか」

なんでこう人が真剣に言ってるのに適当な返事が出来るんだ? そんなに興味ないことか……けどとりあえず言っておくか。

「魔物に殺されるかもしれない。そのために探してるんだ」
「ひょっとして“ハーフ”なのか。その探してる相手」

言葉には出さないが頷く。
そうオレの探してる人はハーフだ。ハーフは人とヒューマの間に生まれた子であり、人々から人でもなく魔物でもなく、その両方から異端として嫌われている。どこに言ってもハーフは最下位で奴隷として扱われている。

ハーフにもどちらの血を濃く継いでるかでヒューマ寄りとモンスター寄りに分かれる。モンスター寄りでも見た目は人そのもの。ヒューマのように顔に模様があるだけで褐色の肌は持たない。

――――――しかしオレはハーフは全て“人”としか思わない。どんなことがあろうとも。誰になんと言われようともトリアイナは人間なんだ。

一緒にエデニアで育ったトリアイナ。あの“事件”さえなければ今も一緒にエデニアに暮らしていたはず。
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