ハフピスライン
「門は偽物。その魔法陣よりハーフの村に入れる」
「分かりました」

門が偽物? 開かないということか。
目の前にある門は現実にあるもので幻覚ではないだろう。テレポートでしか入れないということか。

そうして私は魔法陣の中に入った。

「ん?」

しかしすぐ異変に気がつく。

魔法陣に入ったというのにテレポートが行われない。しかも魔力が吸われる。今度は魔王の時とは違い、はっきりと吸われるという感覚を実感する。

「こ、これは?」
「気にすることはない。安全のためだ。それにもがいてもその魔法陣からは出られない」
「く」

男の言う通り、魔法陣から出ることが出来ない。出られないというよりも足が動かせない。

これは何かの罠か。それとも本当に安全のためなのか。それの判断が出来ず、私は魔王を呼ぶための魔力は解放しなかった。

しかしその判断は間違いだった。魔力が零になった時、突然二方向から矢が飛んでくる。
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