ハフピスライン
「さっき、ここが私達ハーフの地獄と言ったがそれはどうゆう意味?」
「そのまんまの意味。地獄なの」

聞き方を変えるしかないか。もっと詳しく。

「どうして私達は捕まっている?」
「逃げないようにするため。私達は調教されるの」
「調教?」

聞きなれない言葉に驚き、そのまま聞き返した。

「調教は調教、私達は調教されて人間に売られる。そのためだけにここにいる」
「な、なんだと……」

背中に寒気が走る。
それと同時に頭には雷が落ちたかのような衝撃。

「ハーフの村というのは嘘なのか」
「そう、私達ハーフを集めるために噂が流された餌でしかない」

最悪だ。これは酷い。

ハーフの村は私達にとって最後の希望のはずだった。それが現実ではこんな人間に売り飛ばすための調教場所だと言うのか。

本当の絶望はここにあったということか。
私は魔王に拾われたからここにはたどり着けなかった。けどそれが正しかった。

――そういえば魔王がいた。どうにかして魔王を呼ぶことは出来ないだろうか。魔力はいまだに零……零? 睡眠薬とは言え休息をとれば魔力は回復するはず。
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