ハフピスライン
「諦めろ。ハーフがいなくなって、結果からして魔物の餌か魔王の手先だ。どっちにしろ救いようがねぇよ」
「分かってる……そんなことどこに言っても言われたさ! でもこの目で確認するまでは諦めない!」

オレの決意の叫びが店に響こうとしていたが突然の警報に救われた。

「警報、警報。リーラの村が魔物に襲撃されている模様。アフランシール第一先行部隊はただちに集合するように」

とりあえず恥ずかしい思いはしないですんだな。

魔石により広範囲に言葉を伝える設備。そしてそうまでしてアフランシールを呼ぶってことは緊急ってことだろう。ちょうどいい、直接現場に行ってアフランシールに会うか。それとも出撃前に会いに行くか。
いやリーラの村は知っている。走れば余裕だな。けど会えるなら一応会っておくか。

「悪いジーク……?」

ちょっと用事が出来た。と言おうと思った時、すでに空席だった。どこに言った? 出てったことも気がつかなかった。

いや、今はジークのことを気にかけてる場合じゃない。
リーラの村の方向からして、出ていくのはオレが通った検問の所だな。

オレは立ちあがり、そのまま店を出ようとする。

「お客さん、出来ましたけど?」
「す、すいません。後で代金は払いに来ます」

逃げるように出て行った。すいません、ホントに後で払います。
そうしてオレは検問に向かった。
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