ハフピスライン
そうして現れたのは鎖で体を固められたハーフの男とヒューマ型の魔物二匹。

私を迎えに来たようには思えない。
ハーフに男が私の目の前を過ぎる。すると男がこっちを向き一瞬笑ったように思えた。けどその笑みよりもあの顔の模様、見たことがあるような気がした。

「一日に二人? もしかして一緒に来たの?」
「いや、私は一人で来たが一日に二人は珍しいのか」
「珍しいことではあるけど……」

明らかにNo111いや、さっき私も番号だけで言われたから番号のみで言おう。111は驚いている。

「それならば何故、そんなに驚く」
「毒が聞いていない。今まで聞いた話では歩いて自分の牢獄に行ったのはこれが初めて。前代未聞」

なるほど、私ですら意識を失ったんだ。けど魔力がないのだから仕方がない。恐らくさっきの男は毒に対する抵抗が生まれながらにして持っていたのだろう。

「おら、お前はここだ」

ヒューマの魔物の声がして、乱暴に扉が閉められる音が響く。

「それよりもさっきの品定めというのは?」

私はそんな音に構わず、さっき111が言っていたことを聞き返した。
しかし111の返答の前に邪魔が入った。

「No132がすでに起きているか。ちょうど良い、No132お前をサイスマス様の元に連れて行く」

扉が開かれ、私は拘束された。魔力がない私に魔力を持つ魔物に抵抗できるはずもなく、簡単に拘束された。

これは屈辱的なこと。しかし抵抗出来ないのだからしょうがない。
そうして私は111から何も聞けずに牢獄を出た。
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