ハフピスライン
外には私の連絡待ちの魔王がいる。そして猶予である3日を過ぎれば強行突破を図るだろう。そうすれば助かる。
恐らくその3日が長いものとなるだろうけど。

「それは来たばかりだから言えること。そんな希望、明日になればすぐに消える。初日は必ず薬物の投与しかないから分からないだろうけど」
「確かに注射を打たれた。どうやら逆らったおかげで普通とは違って3倍らしいが」

その言葉に今まで見せたことのない表情で驚く。

「3倍!? それで平気なの? どうして平然としていられる」
「平静を装っているだけ。内心では相当効いている」

本当に平静を装っているだけで、耐えているのは私の意地。

「あれはそう簡単に耐えられるものではない。というか、耐えるなんて出来ない品物なのに。凄いこと」

本気で驚いているようだから凄いことなんだろう。
確かに気を緩めたら危ない。
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