ハフピスライン
「待ちなさい。今、これからアフランシール第一先行部隊がここを通る。少し通行止めになる」

検問を通ろうとする人はみんな止められていた。
けどそれでいい。オレの読みは間違ってなかった。いまだに通行止めってことはアフランシールはまだ出てないってことだ。よし先に会えるな。

しばらくして警備員が笛を鳴らす。

「間もなくアフランシール第一先行部隊が来る。みなさん動かないようにしてください」

待ってましたと言わんばかりにオレは飛び出す準備をする。それくらいの覚悟がないとアフランシールに入れないだろう。
そして数分もしないで地響きを轟かせてアフランシールが来る。

――――――が、オレは唖然とした。

「な!?　う、馬だと」

アフランシールと思われる集団はみんな馬に乗って、激しく大地を揺らしながらどんどん目の前を通過していく。

確かに考えてみればリーラの村まで走って行くくらいなら馬の方が早い。馬なんて飼える人が村にいなかったからその発想はなかった。

後悔している内に、あっという間にアフランシールは去っていく。走って追うか？　馬に勝てる訳がない。

そう思っている時、一人出遅れる馬が後続から来ていた。これを見失うともうチャンスはない。
オレは一気に飛び出し、突進してくる馬の進路に立ちはだかった。

「ヒヒーン！」
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