ハフピスライン
「うるさい。オレが用のあるのはそっちの女だ」
「な、なんだ? 魔力だと? 貴様サイスマス様の魔力吸収が効いてないのか」

そう言い終わるとまた男も黒い矢で撃ち抜かれた。
その動作から魔力を使ったことが全く見えない。超高速の魔力解放……魔力の解放が出来るのか。

「お前も用はない。2階の奴ら同様に雑魚ばかりか」

優雅に歩いてくる脱獄者。
他の牢獄から出してくれというが一切の気を向けない。
そう、見ているのは私だけ。私だけを見て歩いてくる。

「何かされたか? 聞いた話では初日は何もないそうだが、見た感じでは大丈夫そうだな」
「な、何者だ? どうやって魔力を」
「そうかお前は器用ではないな。まぁ無駄話はいい」

133が拘束器具に手をかざすと背後では黒い炎が立ちこめ、解放された。
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