ハフピスライン
吹き飛ばされたのはさっきの部屋とは違って外。しかも村の中央のようで戦うには広い。
私と133はうまく着地したが、庇われなければ無様に吹き飛んでいただろう。
サイスマスはテレポートにより少し離れた位置から現れる。

「あれに反応するとはなかなかだな。そうでないと殺す価値がない。それにしても魔力は完全に封じているのに魔力を使えるのは不思議だな」
「分からないことを教えるほど優しくはない。しかし無能な貴様には教えてやらないと分からないか」
「何？」
　
明らかに表情が強張るサイスマスだが133は気にせず続けた。

「魔力は封じられていない。吸収されているだけだ。だからオレは“無効化”した魔力を解放して吸収される前に放出しているだけ。特別なことなどしていない」

さも当たり前のように言うがやってること全てが特別なこと。さっきは特別なことはしてないと言っていたが、133にとってそれは特別なことではないのか。恐ろしく頼もしい男だ。
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表紙・目次

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