ハフピスライン
それからは本当に処刑だった。サイスマスの自由は一切ない。

焼きつくすだけではなく、すぐに殺さないように少しづつ燃やしたりして苦痛を味あわせる。
鋭く研ぎ澄まされた名刀のようになった黒い炎で体を切り刻んだり、切断したりする。

あの黒い炎、サイスマスが言っていたエリウルの焔は本当に最強と呼べるだろう。しかしそれを維持する魔力を持っている魔王はさすがだ。
しかもすでに数十分維持しているが魔力が消費しているようには感じられない。

何度でも復活するたび燃やし尽くす魔王の姿。それは今まで見てきたヘルバーンやジョーカーのように残虐性があり、それ以上に冷静な面持ちが恐ろしい。

「抵抗も出来ないか? 空間回帰のタイムロスもカバー出来なくては真に扱っていることにはならないぞ」

魔王の言う通り、サイスマスは空間回帰の直後はすぐに反応出来ない。しかしそれはあっても微量なものでしかない。
だけど、刹那に殺し合いを行っている者同士ならそれは致命傷の他ない。

「処刑というのは抵抗が出来ないようにしてから行うもの。何百回甦ろうが無駄なことだ」
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