ハフピスライン
燃え尽きるサイスマスに何を言っても無駄なのかもしれない。しかしもし聞こえているなら、それは本当の処刑と化す。

サイスマスは自分が死なないから安心していたかもしれない。しかし今ではその復活ですら意味を成さない。なす術がないけど復活しないと死ぬ……だけど復活しても死ぬ。これを魔力が尽きるまで延々と行われるのだから。

そこにあるのはたった一言の“絶望”だけ。持てる希望は魔王の魔力切れだけだが、その気配は全くしない。

黒い炎はただ忠実にサイスマスの体を燃やしつくす。
その炎はマッチの火よりも弱々しくいつ消えてもおかしくないだろう。

――そして本当に魔王はサイスマスを数百回という数、殺してみせた。
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