ハフピスライン
「ぐ、そんなこと。しかし、このハーフの村がなければハーフ達に希望はないぞ。貴様はそれを無くすつもりか」
「それも心配ない。どうせ偽りの幻ならない方がましだ。ここの結界は面白い、外から内は見えないし、外からの侵入は無効。ハーフか術者が認めた者しか入れない。それをオレはいじってハーフの進入をカオスワルドにテレポートするようにしよう。そうすれば本当に希望となるだろう」

「そ、そんなこと出来る訳がない。俺様にしかそんなことは出来ない」
「大丈夫だ、たかがテレポートの応用だ。すでに結界がある以上難しくはない」

どうやら本当の絶望はサイスマスにあったらしい。何か言いたいが何も言えず、ただ悔しそうにすることしか出来ていない。
恐らく最後の切り札だっただろうハーフ達をいとも簡単に打ち砕いた。さすが魔王と言っ
たところか。

「待て。俺様を殺すのか? この世界を支配したいんだろう? なら俺様が協力してやる。そうすればすぐに世界など……」
「くくく、そうでないとな。下種には命ごいは必須だろう。しかし、オレは信頼できるものしか配下に置かない。強いだけじゃ意味ないし、お前はオレのランク付けでは下の下で底クラスだ」

見下す魔王の目はゴミを見るような目でしかない。生かすつもりはないとサイスマスですら分かっている。だからこそ、恥を忍んで命ごいをしているのだろう。
< 177 / 195 >

この作品をシェア

pagetop