ハフピスライン
「俺様が下の下? それはない。この結界内なら俺様は最強だ。だから殺すのは……」
「そうだ結界内でないと意味はない。そしてこの結界内もハーフから魔力を吸収しないと意味がない。だから! お前は下の下なんだよ!!」
「止めろぉぉぉ」

魔王の叫びにより黒い炎はサイスマスを包み燃やしていく。そんな中でもサイスマスの叫び声が聞こえる。
それは一気に殺さず、ゆっくりとハーフ達を残虐に扱ったことを後悔させている。

「畜生、畜生! ハーフなど利用するしか価値がない。価値がないんだよ。だから俺様は……」
少しの猶予をサイスマスに懺悔がなかった。いや最後だからこそ、サイスマスは懺悔などしなかったのだろう。
そうしてサイスマスはただの炭となり、この世から魔王によって消された。

「フレイル!」
「あぁこれで終わった」

魔王は黒き炎を解除して普通の状態に戻る。それと同時に持っていた殺気も消えていた。
私はゆっくりと近寄って行くが魔王は炭となったサイスマスを見続けていた。

「これでハーフ達は救われる。まさか魔王がハーフだとは知らなかった。それにその模様。どこかで見たことがある」
「やはりこの模様が気になるか……しかし今はまだ知る時ではない。さっさとここを出るぞ」

私の言葉に構わず魔王は歩き出した。

そして私達はハーフを救いに牢獄に戻ることにしたが、敵はまだ残っていた。サイスマスの部下達は即座に出会った瞬間魔王に殺されていき、この村にはハーフしか残っていないだろう。
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