ハフピスライン
「ここから先はトリアイナ、お前が全てやるんだ。オレが魔王だと知られる訳にはいかない」

魔王はそう言って先に村を出た。確かに魔王がハーフであることは知られない方がいい。
だから私だけで牢獄に向かった。
最初に向かったのは自分の牢獄、そこにはルルシーがいる。

「132? どうして牢獄の外に?」

牢獄の向こうには座りこんでいるルルシーがいた。普通に話しているところを見ると落ち着いたのだろう。
私は見つけていた鍵で牢を開け、中に入っていく。

「まさか脱獄? そんなの無意味」
「無意味じゃなくなった。聞いてほしい」
「私は行かない。行きたくない。どうせ成功はしない」

腕を掴み起こそうとしたが振り払らわれた。
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