ハフピスライン

確かにただの脱獄ではここの地獄を知っているハーフには協力する訳がない。サイスマスが生きていると思っているハーフには。

「聞け。私はカオスワルド、トロワポテゥ―が一人、トリアイナ・ゼフィール。サイスマスは死んだ。だから私はみんなを救いたい」
「そんなはずはない。サイスマスが死んだなんて……」
「そうだ、サイスマスは死んだ。だから魔力も吸収されていない」
「ほ、本当にトリアイナ・ゼフィールなの？　サイスマスは死んだの？」
「間違いなく死んだ。だからもう自由なんだ。さっきは苦しませてすまなかった」

どうやら本当に理解したらしくルルシーは嬉しさのあまりその場に泣き喜んだ。
言いたかったお詫びも出来たのは良かった。

それが落ち着くまで私は他の牢獄のハーフ達を解放して回った。その数はおおよそ50程度。ここに来た半数以上のハーフはすでに調教を終え、売られたことになる。