ハフピスライン
私がハーフ達を引き連れて村を出ると魔王が顔を隠し待っていた。

「トリアイナ様に何か用?」

ルルシーがすかさず前に出て、私を庇ってくれた。
しかし私はルルシーの肩に置き、前に出る。

「大丈夫、彼は敵ではない」
「さすがトリアイナ。ずいぶんな人気だ」
「また仲間が増えたのは嬉しいことだ。しかし他の二人の説得が大変そうだな」
「それを言うな。オレもどうするか困っているところだ。まぁなんとかなるだろうけど」

確かにヘルバーンとジョーカーの説得は大変だろう。ただ黙って外に出ただけならなんとかなっただろうが、ハーフ連れて帰ってきたとなると一大事になる。

ルルシー達はこの会話の意味を分かっていなく、私の話している相手が誰なのか分かっていないと首を振っている。だから真実を教える。

「彼はフレイル・グローアース。カオスワルドの王にして魔王と呼ばれる存在。私をここに連れてきてくれたのも、サイスマスを殺したのもこの魔王だ。だから本当に感謝しないといけないのはこの魔王だ」
「トリアイナ、余計なことは言うな」
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