ハフピスライン
人々は“魔物”と呼び恐怖していた。
獣のように人からかけ離れた風貌を持ち、人を襲う存在を獣型、モンスターと呼んでいる。

今、この村はそんな魔物達に襲われている。

襲われる理由は簡単。
モンスター達にとって人間は食事であり、食うしか値しない存在だから。

しかしただ襲って喰うだけではない。この村の人々が喰われた村はもう人の村ではなく、魔物の村になる。
つまり魔物に支配されたということ。

そうやって魔物達は人々をゆっくりと支配していく。これは魔物の思考ではない。全ては“魔王”の意思。人を憎み滅ぼそうとする魔王が魔物を従え人々を襲っている。

「一人も残すんじゃねぇぞ! 人間ごときカスに怪我でも負わされたら即死ね!」

雷鳴のように激しい言葉を部下に投げる大男。
人々は知っている。この大男が魔王軍、モンスター部隊を率いる隊長であり魔王の側近、三本柱と呼ばれるトロワポテゥ―の一人であることを。
しかしそれでも抵抗する人々はいる。逃げずして戦おうという愚か者。

「逃げても無駄なんだ。ならここで倒さなくてどうする」

一人の男が物影から現れ大男の前に立つ。
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