ハフピスライン
「やめろ、違う。落ち着いて」
「あぁぁ!!」

昔、オレが救いたくても救えなかった人。

ハーフと言われ続け味方といえるのはオレか母親しかいなかったトリアイナ。
自分が何を言われようが耐え続けられたけど、母親をけなされ、暴行にあった時、暴走した。

オレはその時、畑にいたから気がつくのが遅れた。すでに現場に着いた時には数名の村人が被害に合っていた。
魔力を暴走させ、銀の髪をなびかせる姿は綺麗だったけど、赤い瞳は恐怖するくらい冷たい。人の気が消えうせていた。

「殺せ殺せ!」
「やっと本性を現したな! だからハーフなど半端なだけで危険なんだ」
「全員でやれば殺せる」

信じられなかった。村人全員がトリアイナに殺意を持ち、そして刃物を出していた。

「やめろ! 殺す必要までないだろ」
「どけライガ! こっちが被害者だ。殺されても文句が言えないだろ」

それでもオレは村人とトリアイナの間に入り暴走を抑えようとした。けどオレは結局は村人を止めることしか出来す、トリアイナの暴走を止めたのはトリアイナのお母さんだった。

あの時の光景は二度と忘れられないくらい強い印象があった。そして何よりもあの瞳と髪は忘れられないだろう。
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