ハフピスライン
「トリアイナ!!」

混乱から回復したオレは叫んでいた。

「ラ、ライガ?」

ジークを睨みつけていた赤い瞳がオレに向くと一瞬だけ殺気が消えた。そしてはっきりとオレの名前を返したということは間違いないトリアイナなんだ。

「良かった、急に村を飛び出すからビックリした。お母さんも待ってるエデニアに帰ろう」
「違う! 私はお前が知るトリアイナではない。魔王の三戦力の一人、トロワポテゥ―のトリアイナ・ゼフィールだ」
「な、何言ってるんだよ。トリアイナ、君は人間なんだ。魔王につくなんてそんなこと……」

混乱する。けどそれはオレだけではないようでトリアイナも混乱しているように見える。

「く、ナナ行くぞ」
「は、はい」
「待ってくれトリアイナ!」

オレの声も空しくトリアイナとハーフの女が消えた。
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