ハフピスライン
カオスワルドはほとんど荒れた状態。

魔王が攻め立てる前のマリアンヌとしての面影はない。
ある程度の知識がある獣型の魔物、どっちにしろヘルバーンの元で動くから好き勝手やるのは当然。同種族以外を劣等と決めつけて威張り散らしている。

こいつらは本当に弱肉強食だから自分よりも強いものには手を出さない分、分かりやすい。
逆に人型は知識があり必ずしも弱肉強食とは言わない。いい訳はもちろん、実力の差を認めないものが多い。

獣型が直接的な暴力に対し、人型は間接的な虐めのようなものである。もちろんそれは全て私達ハーフに対しての扱い。

ハーフが少人数だから逆に目立つのだろう。私は他のハーフ達に絶対に一人では街を出歩かないように注意している。

カオスワルドにはおおよそ魔物型が5割、人型が4割、残りがハーフ。断然ハーフは少ない。

もちろん人間世界のような金銭感覚……金で何かを買うというものはこのカオスワルドにはない。欲しいものは自分で取る。食糧や衣服はもちろん武器もそうやって手に入れてい
る。

「ナナ!」

街中で一人で歩いているナナを見つける。
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