ハフピスライン
ノックを一回する。

「誰ですか」

低い男性の声がする。
これが王様の声か。

「オレ」
「入って下さい」

豪華な扉は開かれ、ジークはさっきの声の低い男に頭を下げられそのまま入って行く。
なるほど、王さまではないようだな。でなきゃあんな態度はとれないよな。

そうしてオレはジークの後を付いていく。

「連れてきたぜ」

いかにも王様が座るような目立つ特徴的な椅子に座る王。その方に向かってジークはいつもの口調で話していた。

「君がジークラフトの言っていた、新しい第零総轄部隊のメンバーか」

威厳というのをビシビシ肌に感じる。
緊張ですぐに返答が出来ない。けどそれでもジークは自己紹介などしてくれないのを知っているから自分で言う。

「え、エデニアの村から来ました。ライガ・フェイルノートでっす」

ヤバい、緊張のあまり最後の部分の声が上がってしまった。

「声上がってやんの」

ジークはオレの緊張を分かってて笑ってやがる。
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