ハフピスライン
――――――足を止める。何か見られている。これは殺気もある。魔物か。

「ガルゥ!」

森の奥から現れたのはやはり魔物。荒い息や雰囲気からして飢えているのだろう。

「けど喰われるつもりはない。去らないならこの手で葬る」

こっちも本気で殺すと殺気を送るが去ることはない。
仕方がない、やるか。

自慢ではないがオレは魔力こそあるが少量しかないらしい。あってもその魔力を扱えない。

スタートの合図もなく襲いかかってる魔物。一直線で真っ直ぐなのは少しでも早く獲物にありつきたいからだろう。
――――――だけど悪いな、それなら早く葬ってやる。

剣や槍など兵士が持つ武器もオレは持っていない。あるのはただ一挺の武器。
標準を獣に合わさると銃口からは魔力をそのまま発射させる。

「キャウンッ」

頭を貫く魔力の弾は間違いなく獣を絶命させた。

これがオレの武器。少ない魔力をどうやって武器にするのか考えだして作った魔動式銃。何か月もかけて作ることに成功したオレだけの武器。
こいつがあるからオレは今までの旅路を無事に進んできた。

しかし困ったことにこの魔動式銃はオレの持つ全魔力では12発までしか打てない。魔動式銃の行動として魔吸石を用いて魔力を蓄積させれる使用にしている。この魔吸石では大体12発分まで魔力をためることが出来る。つまり合計で24発までしかオレは打てない。24匹以上の魔物に襲われたら逃げるしかないだろう。

一度だけ屍となった魔物を見て銃を腰の専用のホルダーにしまう。

あの屍となった魔物は別な魔物に食われるだろう。それがあいつらの世界だからな。
そうしてオレは二度と屍には視線を合わせずに歩きだした。
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