ハフピスライン
「凄いな、ここまでとは」
 
って二歩。見渡す街の中で驚かされたのは人の多さ。そして何かに恐怖して暮らすことのない活気のある生き生きとした人々。

オレの今まで行った村は魔物に襲われる心配をして生きていたから、ここはそれがないだけで驚かされる。

少し街を散歩してみようと歩くと店がいっぱいあること。似たような店がここまであって意味があるのかと思うほど。

そういえば腹が少し減ったな。どっかで何か食べるか。
思いつきで食事をすることにしたが日の高さからそろそろ昼食の頃合いだろう。

目に付いた店に入ろうとする。昼時で人も多い。できるだけ並びたくないので空いていそうな場所を探すが……。

「そんな馬鹿な……」

オレは落胆した。

空いてる店がない訳ではない。ちょっと並ぶ程度ならオレだって出来る。
しかし、店の外からも見えるメニュー表の額にショックを受けた。

「一食が1000マストってどうゆうことだよ」

オレの村で1000マストあれば一家の一日の食費に相当する。
村で受けるクエストですらCランク500マストもらえるかどうかだぞ。

「なんて贅沢な暮しなんだ」

村と街の差にショックを受け、小腹が空いてる程度なら我慢することを余儀なくされた。
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