ハフピスライン
「よし、とりあえずこれで終わりだな。したら帰るか」

一件落着というジークの言葉ですっかり終わりの雰囲気になる。

「あ、それならオレはここで抜けるわ」

ヤクモが軽々しく言う。けどどうやって抜けるつもりだ?

「テレポートは規定の場所でないと無理です」

いつの間にか消えていた依頼人とテレポーターが現れヤクモに言う。
しかしヤクモは笑って全く話が通じているようには見えない。

「心配ないって、オレが呼べば来るんだ……ほらな」

ヤクモがそう言うと突如、隣が光出し小さな女の子が現れた。

「出たな、神出鬼没のお姫様が」

ライキが何やら楽しそうに言うが、驚いているのはテレポーターだった。聞けばテレポートは一度テレポートする人がマーキングした場所でないと移動できないという。それを特定の相手にするなどほぼ不可能。強力な魔力ではなく特殊な魔力でないと無理という話。

「出来るもんは出来るんだよ。そしたらじゃな、いくかユキノ」
「……」

ヤクモはユキノと呼ばれる女の子と光の中に消えて行った。

確かに目の前で起きているのだから不可能ではないんだろう。なんというかでたらめな人たちだ。ここにいる人達を含めて。

テレポーターは驚きを隠せない状況だが、いつまでもここにいるのは危険ということになり、すぐに最初に来た位置に戻ることにした。
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